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働けおっさんブロガー

26年勤めた仕事を無計画に辞めたおっさんの生き様を綴る

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高校の水泳授業の飛び込み指導で生徒の首骨折のニュース

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昔から消えぬプールでの飛び込み事故

どうも、マスクド・ニシオカです。パスタを食べるなら200gです。

以前、夏のシーズン前に、毎年水難事故が起きるのを懸念して、何の力にもなれないと思いつつ、水の事故に関する注意喚起の記事を書きました。

夏の水難事故を減らすひとつの方法 - 働けおっさんブロガー

内容としては、単純に過信が一番の事故防止なので、水は怖いと思っているくらいがちょうどですよ。みたいな内容ですが、飛びこみについては触れていませんでした。

自分が水泳のコーチとして26年ほど仕事をしてきて、その間に多くの飛び込みの事故があったことを聞いてきました。自分が知る例のひとつとしては、元選手だったコーチが、大人のレッスン中に見本を見せるつもりで急な角度で飛び込んで、プールの底で頭を打って頚椎損傷となった事故を覚えています。幸い自分はそんな飛び込みの事故とは無関係で、事故の情報があって対策として飛び込み指導の対策をしていました。

昔からそんな事故があるので、小中学校の体育の授業では飛び込みが禁止されていますし、水深が1.4m以下のプールでは生徒が勝手に飛び込んでも管理側の責任になる、とかルールが決められていたはずです。

東京墨田工業高の水泳授業で事故のニュース

そんなプールでの飛び込み事故のニュースがありました。

www.tokyo-np.co.jp

東京都立墨田工業高校(江東区)で七月、水泳の授業中に三年生の男子生徒(18)がプールに飛び込んだ際、底で頭を打って首の骨を折る大けがをしたことが東京都教育委員会への取材で分かった。生徒は現在も入院中で、胸から下がまひした状態という。
 都教委によると、事故は七月十四日午前十時ごろに発生。保健体育の男性教諭(43)がスタート位置から一メートル離れたプールサイドで、足元から高さ約一メートルの水面上にデッキブラシの柄を横に掲げ、生徒に柄を越えて飛び込むよう指示。生徒は指示通り飛び込み、水深一・一メートルのプールの底に頭を打ち付け、救急搬送された。

プールは満水時は約一・二メートルの深さになる構造だが、学校側は「注水に時間がかかる」との理由で、水を減らしていた。

 

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さてと、どこから話していきましょうか・・・というくらいツッコミどころが多いニュースです。大きな問題点は3つあります。

  • プールの水が満水ではなかった
  • 水中で教諭が構えていなかった
  • デッキブラシを飛び越える指導方法

プールの水が満水ではなかった

たった10cmですが、飛び込みをする場合はこの10cmがとても重要になります。当たり前ですが、プールが深ければ深いほど底で頭を打ちつける事故が起きる可能性は減ります。極論ですが、水深2mのプールであればこの事故は起こっていなかったでしょう。

水中で教諭が構えていなかった

飛び込んだ生徒がどのような状態で飛び込んだかがニュースではわかりません。というのは、しっかり蹴れなくて足を滑らせてしまって角度が急になる場合もあります。そういうアクシデントが起こっても事故が防げるように、指導者は水中の生徒が飛んでくる場所で構えておいて、急な角度で飛んだ場合に手をすくうか抱き止めれば、ケガは免れませんが首の骨折は防げたかもしれません。

ニュースでは指導者である教諭が目標物としてデッキブラシを持っていますが、これは他の生徒に協力してもらうことで出来たはずです。(デッキブラシを目標にすることについては後述します)

デッキブラシを飛び越える指導方法

昔から水泳指導をやっている人は、このやり方を経験している人が多いのではないかと思います。きっと、目標物を飛び越えることでしっかりと飛ぶことをやらせたかったのでしょう。教諭の年齢が43歳となっていましたので、過去の経験をそのままに指導していたのではないでしょうか。自分も昔はこのやり方をやっていましたが、飛び込み事故の発生があったので、事故防止の対策としてやり方を変えました。

この方法が絶対安全というわけではありませんが、自分はこのやり方で事故を起こしたことはありません。

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安全に飛込みを指導するときの鉄則はこうです。

低い姿勢から高いところを目指す

まず、目標を高く遠いところにすることで、頭から入水することを防ぎます。生徒には目標にした指導者の手にタッチをするように説明をして、斜め上に飛ぶようにさせます。事前に腹打ちの方が安全であることを説明しておき、飛んだ瞬間に自分がどうなってるかがわかるようになるまでは頭から入水することは避けるべきです。ニュースでは、生徒が飛び込みの経験が浅いと書いてありましたので、余計に腹打ちで行うべきでした。

構えるときには立った状態ではなく、しゃがんだ状態で構えさせます。低いところから高いところを目指すことが重要で、逆に高いところから低いところ(水面)を目指すのは危険です。

もうひとつは、前述しましたが、水中に入った指導者がもう一方の手で、いざというときの準備をしておかなければなりません。飛び込みの瞬間に足を滑らせたり思う角度で飛べなかったときに手ですくうことができます。今回の場合は生徒が高校3年生ということで体が大きかったでしょうから、すくったところで止められなかったかもしれませんが、打撲程度で済む可能性が高かったと思います。

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教諭の処分と今後のこと

これはあくまでも個人的な意見ですが、昔からある、こういう事故のおかげで飛び込みの指導をすることが減っているのが現状です。現に、小中学校の水泳授業では飛び込みの指導が禁止されていますが、高校では段階的に指導するように定められています。ということは、高校生のデカイ体で初めて飛び込むのを高校の教諭たちが指導しなければいけないという図式になっていて、高校の教諭が「こんなデカイ体で勘弁してくれ!」と思っていても仕方ありません。

今回の事故で指導を行った教諭は処分を受けることになるようです。

教諭は都教委の事情聴取に「危険な行為をしてしまった」と話したという。都教委側は取材に「水深が浅いプールで指導をした上に、生徒の習熟度に応じた授業を行っていなかった。不適切だった」と認め、教諭の処分を検討している。

指導者としては判断ミスであり、処分は仕方がありません。ただ、なぜ飛び込みの指導を行ったのか?きっと必要ではなかったはずなんですが、ここに何かポイントがあるような気もします。

また、今後高校でも飛び込みを禁止すべきだという意見が出るでしょう。

学校事故に詳しい名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は「文科省は高校の授業でも飛び込みを禁止すべきだ」と訴えている。

ですが、小中高と飛び込みを指導されていない大人が増えたら、今度はどこで事故が起きるかわかりません。教育に携わる人たちがこの辺をどう考えているのか?疑問に思います。飛び込み指導はリスクが高いので避けたいのは十分理解出来ます。ただ、このやり方では『臭い物には蓋』なだけであって、飛び込みは危険だということがわからない大人が増えると思うのですが、どうなんでしょうか?

スイミングスクールの考え方

自分が働いていた会社では、飛び込みを指導できるコーチは、定期的に研修を受ける必要があり、飛び込みの怖さと安全に指導する方法を勉強していました。その勉強をしていないコーチは飛び込みを指導することが出来ず、基本的にはスイミングスクールでは飛込みが禁止となっており、不必要なこととしてレッスンの項目からは外されました。当然、選手クラスやその予備軍のクラスでは飛び込みを行いますが、それは前述した飛び込み指導の経験を積んだコーチしか行ってはならない、という決まりがありました。

他社ではそれについてどう考えているかはわかりませんが、もし、スイミングスクールの指導上で今回のような事故が起こった場合、その賠償責任は恐ろしいほど高額になります。今回の場合は『胸から下が麻痺している』となっていますので、後遺症が残るとなれば、その人のその後の人生が狂ってくるわけです。そこまでの賠償となれば億という単位が出てきても不思議ではありません。

もちろん、そういうときのために保険に入っているでしょうが、それ以上に事故が集客にも影響しますので、その事故に対する賠償以上の影響が出てくるでしょう。スイミングスクールのイメージがお客さんにどう映るかは、簡単に想像出来ることです。

ですので、どこのスイミングスクールでも飛び込みについては、安全に行う方法を考えるか行わないか、どちらかの選択をしているのではないでしょうか?

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 最後に

こういう事故が起きると『臭いものには蓋』という方針が出るのが嫌いです。そうやって自分のところでは責任は逃れることが出来ても、先のことを考えると良くないような気がします。もうあっさりと学校での水泳指導は止めてしまって、その分、国が民間のスイミングスクールに補助金を渡して、小学生のときから水泳の授業はスイミングスクールですればいいのに、と思います。そうすれば学校の先生は水泳指導から開放されますし、スイミングスクールは儲かりますし、子どもの技術は上がるし、子どもの親は安心できます。こういうところはやっぱりお役所が頭の固いから無理なんでしょうね。

それが出来ないのであれば、せめて水泳指導のプロを学校に招いて飛び込みの指導をすればいいのに。実際、自分が水泳の仕事をしているときに、近隣の小学校のお手伝いをお金をもらって行ったことがあります。それが出来るなら、近所のスイミングスクールに頼んで先生の前で飛び込み指導のお手本を有料でやればいいのに。ね。

会社を辞めて水泳のコーチの仕事はしなくなりましたが、それでもこういう事故のニュースを見聞きすると胸が痛みます。この事故でケガをした生徒も大変ですが、教諭も自業自得とはいえ大変でしょう。この事故が起こったことで、上の人たちが根本から考えようと思ってくれればいいのですが、残念ながら『面倒なことが起きた』とか思っているんでしょうね。だから、また起きてしまうでしょう。非常に残念です。

 

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